会長ご挨拶(2014年)
澪電会会長 谷口 研二
(子・昭46)
澪電会の会員の皆様には、ますますご健勝でご活躍のことと心よりお慶び申し上げます。また、日ごろより、阪大電気系学科の発展にご理解とご支援を賜り厚くお礼申し上げます。
本年度は前会長の藤野様が敷いた路線を踏襲しながら新しい企画も盛り込んで澪電会の活性化に務めてまいりたいと思っていますので、会員の皆様方にはご協力のほどよろしくお願いします。
阪大教員だった頃を振り返ると阪大の教育・研究環境はとても素晴らしかったと、つくづく感じます。と云うのも、最近、国家財政危機の煽りを受けて、地方大学や高等専門学校などでは老朽化した建物の改築もままならぬ状況にありますが、吹田キャンパスでは訪問する度に新しい建物が建設されています。日本学術振興会や日本科学技術振興機構などの競争的外部資金についても同様で、阪大では多くの教員が資金を獲得して積極的に研究に励んでおられます。退職後、奈良高専に異動してからは特に、優れた教育・研究環境の下で研究ができる教員や学生を羨ましく感じています。
先日、東京で同期生(電気・通信・電子:昭和46年卒)の会合がありました。皆、65歳を越す年齢で、勤め先を一度は退職してはいますが、その後も元気に働き続けていました。少子化の影響で経済の停滞を杞憂する論調の報道が多い中、退職年齢を越えてもバリバリ働いている人が多いことに日本の底力を感じました。高年齢になっても元気な人はせっせと働くことが国民の税金で素晴らしい高等教育を受けてきた阪大卒業生の義務かも知れません。
年配者だけでなく、若い人たちにとっても同窓会組織は人脈を築く最適な場です。例年、同窓会総会や見学会などには年配者が数多く参加されていますが、若手の方々も積極的に参加し、諸先輩方との親睦を深めていただければ幸いです。今年の見学会は「あべのハルカス」を予定しています。地上300mという日本一の高さだけでなく、ビルの耐震設計、建物内の電力搬送など、高層ビルの最先端技術には目を見張るものがあります。見学会などでの人的交流を通して貴重な知的資産を共有し、それを産業界・学界で生かしていただければ幸いです。最近、わが国の電機業界に、やっと薄日が射してきたものの、現下の経営環境は未だ厳しい状況にあります。今こそ澪電会の人脈を生かした皆様のご協力で、現状の閉塞感が打破されることを期待しています。