会長ご挨拶(2017年)
澪電会会長 村上 孝三
(子・昭和46)
澪電会会員の皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
本年6月、亘 信二前会長の後を受け、会長に就任いたしました。大阪大学工学部電気系同窓会として輝かしい歴史と伝統を誇ります澪電会のますますの発展に、微力ですが力を尽くす所存です。どうぞよろしくお願いいたします。
私は電子工学科入学から数えますとちょうど50年になります。電気系の学生から始まり、企業での情報通信研究者、阪大電気系教員を経て、現在は私立大情報学部教員として、まだ現役のつもりでおります。これまで、私の身近には公私にわたり常に澪電会がありました。恩師の先生方、先輩方からの多大なご指導ご鞭撻はもとより、同級生、後輩、そして電気系の若い卒業生達とのお付き合いでいつも勇気と元気をいただいてきました。自分の今日あるはつくづく澪電会のおかげだと思っています。今回の会長就任はこのご恩返しの絶好の機会を与えていただいたものと受け止めております。若い方々にも澪電会の魅力や素晴らしさを実感していただけるように頑張りたいと思います。
さて、今日、世界の潮流が大きく変わりつつあるように見えます。AI、IoT、ビッグデータなど我々の分野の技術革新が起爆剤となって、インダストリー4.0のようなイノベーションが浸透しつつあります。最近の「Future Network」などの先端研究動向を見ても、やっと「情報ネットワーク社会」の構築に向けた地道な動きが本格化してきたと感じることができます。
思えば電気通信初期の時代からこの分野にいる私たちにとりましては、今から30年も前からこのような方向を目指して研究開発をしていたのであり、我が国の電気電子情報通信分野が世界を先導していることを実感していた時期もありました。ミレニアム移行期での「軽薄短小」によるITバブルの崩壊、それに続く「電機冬の時代」は全く想定外の出来事でした。本当に長く幾多の試練と多くのものを失った後に、やっと今再び電気電子情報通信の時代がやってきたように感じます。澪電会の皆様の活躍の場は情報通信基盤分野にとどまらず、世の中のあらゆる分野・領域に広がりをみせており、この大きな可能性とチャンスの到来に対して、創造性、戦略性、実行力に一層磨きをかけることに皆様は邁進されていることと存じます。
母校大阪大学でも澪電会の母体となる電子情報工学科への志願者数が一時の停滞を脱して上昇機運になってきたようで、頼もしい限りです。ひと昔前のように医学部以上の人気学科になることも夢ではないと思います。
人生100年時代となって仕事と遊びの境目がなくなるという、うれしいような、わけのわからないような時代になるとも言われています。若い方々にとっては、今までのような一つの人生だけではなく一人で幾つもの人生を生きることになるようで、その備えとして世代を超えた友人が大きな力となり重要な資産となるとの提言もされています。
このような新しい時代を迎えて澪電会は、会員の皆様にとって今まで以上に「誠に頼りになる」「実に役に立つ」「こころより安らぐことができる」そんな同窓会であらねばならないと決意を新たにしています。
情報ネットワーク分野に「スモールワールド」という新理論があります。ネットワークという構造がもたらす協調性、創造性というダイナミズムを立証する理論です。会員の皆様におかれましては、特に若い方々にも是非、澪電会に繋がっていただき「スモールワールド」という澪電会ネットワークのダイナミズム、すなわち、同窓生としての絆を深め、世代を超えた幅広い人的ネットワークを幾重にも張り巡らせることに活用され、皆様方の力にしていただきたいと思います。
本会が実施している各種事業につきましては役員一同で力を合わせ、さらに新時代に向けた知恵と工夫を織り込みながら皆様にご案内させていただきます。全国でご活躍の会員の皆様お一人お一人のお知恵やご提案も多いにいただきたく存じます。澪電会の発展のために、これまで以上のご協力、ご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。