会長ご挨拶(2019年)

澪電会会長 山田 隆持
(通・昭和46)

 澪電会会員の皆様におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。

 本年6月の総会をもって村上孝三前会長の後を受け、会長に就任致しました。大阪大学工学部電気系同窓会として歴史と伝統を誇ります澪電会の益々の発展に微力ではありますが、全力を尽くす所存です。どうぞ宜しくお願い致します。

 私は1973年(昭和48年)に工学部通信工学科修士課程を修了し、当時世界トップクラスの技術を誇っていたアメリカの「ベル研究所」に追いつき、日本の通信を発展させたいという思いで当時の電電公社に入社致しました。

 その後1985年に電電公社は民営化しNTTとなり、私は2008年から2012年までNTTドコモの社長を4年間勤めさせて頂きました。 NTTやNTTドコモ在籍の間、亡くなられた熊谷先生をはじめ数多くの澪電会の先生方、諸先輩に、御指導、御支援を頂き、改めて深く感謝します。

 この澪電会の「澪」は船の進路を指し示す灯台の事だと教えられました。素晴らしい名称だと思い、理科系、文化系共に大阪大学出身者でNTTやNTTグループに入社した人たちの集まりも『NTT澪会』と呼称させていただき活動しております。私はその代表世話人も務めており、その会員規模は1800名に達しています。

 今回の会長就任は、今までお世話になった御恩返しの絶好の機会を与えられたものと受け止めており、特に最近の若い人は全般的に人間関係が希薄になってきていると言われるなか、澪電会の魅力やヒューマンネットワークの充実を図り、会員相互の交流がより盛んになるように努力していきたいと思っています。

 さて今日、AI、IoT、ビッグデーターなどの技術革新が飛躍的に進み、超スマート社会が実現していくと言われています。その中で、中核をなす技術の一つが、通信網の5Gの進化です。5Gの通信速度は20ギガビットで、僅か30年間でモバイルの通信速度は10万倍になりました。またタイムラグも4Gの10分の1に減り、同時接続数は1平方キロメーターあたり100万台に達します。この技術を利用して、世界中で自動運転や、新たなスポーツエンターテイメント、遠隔医療等様々なサービスが企画されています。そしてこれを実現していくためには、既存の企業に加え、国内外のスタートアップ企業、そして大学が連携して取り組み、オープンイノベーションを通じた「共創力」が重要となってきています。

 私は今、大阪大学発の技術を用いたベンチャーファンドである大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社の取締役も担当させていただいていますが、大阪大学には素晴らしい技術が沢山あります。 更に5Gの世界は大阪大学電気系を卒業された澪電会会員の皆様の世界でもあり、皆様はこれからのスマート社会の実現に向けた最前線におられます。是非、現役の人達や澪電会会員の皆様に、その最先端で大いに活躍をしていただきたいと思います。

 澪電会という同窓会が団結して弦力になり、色々活動・支援していけば、大阪大学も更に進化していきます。澪電会の結束は重要であると思っています。会員の皆様におかれましては、澪電会という名のもと、同窓生としての絆を深め、世代を超えた幅広いヒューマンネットワークをしっかりと築いていってもらいたいと思います。

 私事ですが、若い頃からスキー、テニス、ゴルフに親しんでまいりました。特にゴルフは現在ハンディキャップ2で、日本ゴルフ協会が主催する日本ゴルフ選手権にも出場しています。ゴルフが好きな方と一緒にプレイし親交を深めていければ、ヒューマンネットワークも広がり、大きな喜びとなります。

 本会が実施している各種事業については、各員の方々の智恵や意見を伺いながら、新たな施策も取り組んでいきたいと思っています。また全国でご活躍の会員の皆様からのご提案もいただきたく存じます。今後とも澪電会の発展に向けて、役員一同で力を合わせ、新たな時代に向けて一歩一歩進んでまいりますので、より一層の御協力と御支援を宜しくお願い致します。


Last-modified: 2019-10-04 (金) 17:16:27 (1659d)